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受動的であることは悪しき事か?

 年金問題にまつわる公開討論を拝聴してまいりました。
 いや、思ったよりも楽しい討論でありました。討論の模様は後日ブロードバンド放送されるので(私も復習のために見とかなきゃ)、興味ある方はご参照くださいませ。

 年金問題を焦点にした会話の場だったわけですが、個人的な感想としては年金問題そのものの方向性は“一旦清算してクリアにしてから再スタート”だという意見で早いうちから意見の一致は見えていたようです。
 どちらかといえば、正論はわかるけれどもそれを阻害しているもの(煤)はなんなのか、という議論に終始していたように思いました。
 意地悪く見れば、なんだか政治を形成するシステムの問題ではなくて、政治家同士の人間関係と腹の探りあいが垣間見えたなぁというか、結局そこに行き着くのかという感じでした。

 自民党河野氏のから発せられる“正しい制度の基盤をつくる議論をすすめよう”(犯人探しするよりも、建設的な意見と行動で足場を固めて状況を打破したいという趣旨と思える)という訴え。
 民主党古川氏の“正論をもって行動しても、訴えるべき相手がわからない”(ある意味、責任の所在が不明確であるという趣旨と思える)という訴え。
 お二人とも真鍮に現状打破を願っていることはひしひしと感じました。
 一夜明けて木村氏の blog で問題提起されているのも、より能動的であれというものであるようなので、その問題提起に乗ってみようと思います。

 とかく集団で行動する物事というのは、リーダーを張る人の度量によって、よくも悪くも結果を大きく左右します。
 日ごろ良く、この“リーダーを張れる”という事自体が日本ではかなり貴重な能力であると感じます。
 “リーダー資質”の良し悪しを論ずる前に、その絶対数が少ないというのが実感です。
 なんででしょうか。
 先日会社で、「(ここの社員は)意見を紙で書けというと書くのに、打ち合わせの場でそれを声を出して訴えるやつが少ない」と会話をしていたのを、ふと思い出しました。
 なんででしょうか。
 結論から行けば、“慣れていないから”だと思います。
 新人類だの、世代のギャップだの、いまどきの若いモンはだの、いろいろと日本人の変化に関する意見を聞くことは出来ます。
 しかし、それでも今も昔も変わらない日本人の資質というのは、“目立つことは恥と考える”であると思います。
 何も奇抜な格好で奇抜な化粧をするとかしないとか言う話ではありません。というか、それが実はかっこ悪いと心の中で思いつつ皆で同じような奇抜な格好や化粧をするのは“右へ習え”以外のなにものでもなく、そんな中で普通の格好をして存在できる人のほうが得てして精神的には強いと思います。
 日本人は基本的に勤勉で、おとなしく、ルールを守る性質があると思います。
 反面、特出したものは排除する(出る杭は打つ)性質があります。
 “リーダー”は、まず能動的であることが重要です。
 物事というのは、座って文句だけ言っていても、経年劣化しこそすれ好転変化はしないものです。
 そこを、状況を変化させるために、多大な労力を払っていくというのは、それだけで目立つ行為です。
 そういった行為は、理論的に正しくても日本人として染み付いた性質から、生理的に拒否してしまいがちだと思います。
 だから、“リーダー資質”というのは、日本人の中では育ちにくいのです。
 そういった生理的な直感を退け、能動的にいつづけるというのは、それだけで大変な努力を要するものと考えます。
 しかし、そういった“努力が必要である”部分すら、“自分で好きで勝手にやってるもの”と思い込んで目をそむけて認めない人たちが本当に多いと思います。
 それを踏まえて。
 受動的であることは悪い事でしょうか?
 自分から行動はせず、言われることを受身で受けるだけというのは、悪でしょうか?
 その問いに関して、しかし私はNoだと考えます。
 何も皆が皆行動しなければとは考えません。行動をとりたくても一杯一杯で動けない人たちだっているでしょう。
 ただ、能動的に行動している人たちの、大変な部分というのをわかってあげてほしいと思います。
 出る杭を生理的直感でただ打つのでなく、理論的に正しいかどうかというのを冷静に考えてから、声をあげるべきではないかと、切々と思うのです。

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